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シトロエン・トラクシオンアバンシリーズ (5)

風邪をひいている間とお盆休みがちょうど重なり、休みの間、実家に戻って
ずっと養生しているような状態だった。得したのか損したのか…。

 

で、またその実家の押入れを何となく探ってみたら、昔、購入したのに購入
した事すら忘れていたsolidoの1/43ミニカーのシトロエン15(FFI仕様)が
見つかったので、今回はこれを紹介してみたいと思う。

 

solidoCitroen15ffi01

最初の写真は左側面から見た所。全長は約11.1センチ、全幅は約4.1センチ。
手持ちの資料図面と比べてみた所、ほぼ正確。ネットで調べてみた所、この
製品は古くからあるけれど、プロポーションも良好という所。
実車写真と比べてみてもだいたい合っている感じ。
ただ、フロントウインドウはやや横に細長い感じが強調されているようだ。
エンジンカバー部分も、上のオーバーハング部分がやや強調されている。
まあ、基本的に金属製のミニカーなので、窓枠部分の厚みとかがありすぎ
なのはしょうがないという所。

 

solidoCitroen15ffi02

2枚目の写真は右斜め後ろから見た所で、可動になっているエンジンカバーを
開けてみた所。エンジン部分はプラ製で、一応再現されている。
このミニカーは元々、民間仕様で発売されていたものを、塗装をFFI仕様に
してミリタリーシリーズでも発売されたもの。solidoは昔からミリタリーの
金属製完成品模型(つまり一種のミニカー)シリーズも発売しているが、それは
基本的に1/50なのだが、このように元々民間仕様で発売されていたアイテムは
1/43なのだ。個人的にはスケールはどちらかに統一して欲しかったが…。

 

残念なのは塗装で、オリーブドラブを明るくしたような色にダークグリーンの
迷彩塗装にしているが、実車の写真ではこのような塗装は見た事がない。
また、迷彩はミニカーの塗装を行っているメーカーの方か下請けの会社の方か
知らないが、個人の筆塗りで、いかにもざっと塗りました、的な仕上がりに
なっている所。
21世紀の現在のミニカーであればタンポ印刷とか、ミリタリーものならエア
ブラシを使ってあったりと「これなら苦労して自分で作って塗る必要ないかも
知れない?」的な精密な出来なものも多いのだが、なにせ古い(1980年代?)の
製品なので、この辺は我慢するしかないのだ(ただ、FFIのマーキングはちゃん
とマスキングもされて良く描けているようだ。)。

 

solidoCitroen15ffi03

3枚目の写真はエレール1/43の11(標準型)と並べてみた所。右側がエレールの
11だが、こうして並べてみると15の方が座席天井部分が幅広なせいでやや
平べったい感じがして、それが恰好良いと思うのだが…(エレールのものは
私の保管状態が悪くてホコリがだいぶ付いたままなのをご容赦願いたい。)。

ただ、エレールのものはフロントウインドウの上下幅が逆にありすぎか、と
いう気がしなくもない。
タミヤの1/48や1/35はこの辺の感じが良く出来ているようだ。


11の標準型の1/43の全長、全幅は15(11の長胴型)を1/48にした時の寸法とほぼ
合うので、エレールの1/43の11(標準型)を利用して1/48の15もしくは11の
長胴型に改造、というのが手っ取り早いか、などと妄想してしまうのだが、
こういう乗用車のエンジンカバー部や座席天井部分などは複雑な3次曲面で
構成されているうえ、窓ガラスの透明部の問題もあるので実際には、そう
簡単にはいかないだろうとも思ったりしている。

 

ここはやはりタミヤかその他各社に1/48でトラクシオンアバンの15を発売して
欲しいにょう、と強く思ったりする(笑)。

 

なおこのsolidoの15six、箱が妙に大きかったり何故かアメリカ兵の1/43の
出来の悪いフィギュアが2体、付属していたのだが、その辺の紹介はまたの
機会に。

 

(続く)

 

JUGEMテーマ:プラモデル

 





シトロエン・トラクシオンアバンシリーズ (4)

この間、実家に帰ってある模型を探して押入れを探っていたら、トラクシオン
アバンのあるミニカーが見つかったので、今回はそれを紹介してみよう。

それはブラーゴの1/24のシトロエン・トラクシオンアバン15cv(six)という、
結構な大物だった。

 

私はこれは以前フリーマーケットで売ってしまったような気がしていたので
この連載の最初で所有ミニカーを書いた時も書かなかったのである。

 

私がこのキットを購入したのはもう20年以上前だったと思うが、何で購入
したかというと、形状が結構正確そうだったし、前ドアも開閉可能、エンジン
カバーも開閉可能でエンジンも一応再現というものだった上、特売があって
2000円以下位の価格で購入できたから、というものだった。

 

もちろんこのアイテムに興味があり、小スケールのこれのプラモを作る際の
参考になるだろうと思ったからだ。

 

buraCitroen15cv01

このミニカー(ダイカストモデル)、現在でも一応入手可能なようだが、日本
では車体色が黒と赤のツートンカラーのようだ。
なのでこの全体黒のバージョンはちょっとレアかもしれないが、何せ安売りの
だったせいか、最初から傷が結構あった。なので価値は低いと思われる。

 

最初の写真は全体形。私は普段、小さめのものばかり扱っているせいか、
この、全長が約20センチのミニカーは、大変な大物に感じる。

 

buraCitroen15cv02

2枚目の写真は右舷のエンジンカバーを開けた所。
エンジン部品が銀メッキされているのが分かる。まあシビアにみた場合、
パイピング等、細部がほとんど省略されているが、雰囲気は出ている。

 

3枚目の写真は箱に入れて上から見た所。
下に発砲スチロールの台があり、これと本体を下から1本のネジで固定する
ようになっていた。ただ、タイヤに使われているポリスチレンぽい部品と
発砲スチロールの相性が悪いらしく、何年もこのままにしていると発泡
スチロールの方が少し溶けてタイヤが埋もれる形になる。本体部品は溶けて
いないのは幸いだが。

 

現在、発売されているバージョンはプラスチック製の台も付属しているようで
この辺は改善されているようだ。

buraCitroen15cv03

 

それ以外の部分を考証してみると、全体形は15のややペッタリした感じは出て
いる。また、「1938年型」としているだけあって、後部トランクが突出して
いない点はちゃんとしてるし、エンジンカバー側面の彫刻がルーバー状に
なっているのは15の特徴のようだ。

 

ただ、前部と後部のバンパーが直線状なのは少々疑問だし、今回の写真では
分からないが、タイヤの厚みが相当に厚い。


以前、タミヤの11CVのキットのタイヤ厚が厚すぎでは、等、このブログを読ま
れた方と話題になったが、それより更にバランス的に厚い感じなのだ。
ざっくり図って1センチ近くになったが、これを24倍すると約240ミリで、もの
凄い事になる。

 

色々写真を当たったが、戦後のレストア車でもここまで厚いものは見当たら
なかった。


ちょっと考えてみたのだが、このミニカー、重量がけっこうある。それをやや
柔らかめのポリスチレンのような材質のタイヤで支える為に厚くしたのかな?
…という感じだ。

 

しかしこのタイヤ、側面にはちゃんと「CONTINENTAL」という刻印がある。
…本当にこのメーカーのタイヤを使ったのかどうか…。

 

まあ、ミニカーだし、あまりうるさい事を言わずにこのまま楽しんだ方が
良さそうだ。


考証的には、同じ1/24だと多分、エレールのプラモの方が出来が良いので
しょう。

 

(続く)
 





シトロエン・トラクシオンアバンシリーズ (3)

以前、シトロエンの7/11/15シリーズのコレクションについて2回ほど
書いたが、今回はドイツのBREKINAの1/87・15six(又は11cv長胴型)
と同じくドイツWIKINGの15sixをご紹介。
(今回から「シトロエン・トラクシオンアバンシリーズ」と改題。)

brekina15six01

1枚目の画像はBREKINAのもの。車体の左のものは入れ物で、自動車を入れる
コンテナのようになっているのが特徴。現在ではメーカー製造は終了して
いて、流通在庫のみになっている様だ。
私が購入したものは写真のように車体色オリーブドラブの軍用のような
モールド色の製品であったが、他に黒や青などのいかにも民間車っぽい
モール色ドのものもあった。民間車仕様の方がグリルやバンパーが銀色に
モールド(もしくは塗装)されており、同価格であればその方がお買い得
だが、私が20年位前にポストホビーで購入した際はこの一色モールド版
しかなかった。多分、(西)ドイツ軍仕様を考えたのかもしれないが、
少なくとも戦後のドイツ軍が軍用色にてトラクシオンアバンを使用している
写真は、私の知る限りでは見つかっていない。なお、キットは11か15か、
はっきりとした型を決めて発売されていた訳ではないらしく、検索すると
11としても15としてもヒットする。製品の裏の刻印もcitroenとして打って
あるだけであった。

brekina15six02

wiking15six01

上写真のようにWIKINGの15と同じ横アングルの写真で並べると違いが
分かり易くて面白い。WIKINGの方は車体後部のスペアタイヤハウスが
四角く後部に突出した、1953年以降のタイプである。尚、WIKINGの方は
車体裏に「15SIX」とちゃんと型も刻印されている。

brekinaWiking15six01

並べて斜め上から見てみると、何となくWIKINGの方が良く出来ているように
見えるかもしれないが、これはモールド色のせいと思われ、ネットで
検索してBREKINAのモールド色が同じ(グリル、バンパーは銀)のもの
の画像と比較してみるとどちらも同じくらい良い出来に見える。

そもそもどちらも微妙に型が違うので両方に存在意義があるのだ。
といっても1/87という小さなスケールの為、どのみち再現度には
限界があるが…。なお、WIKINGの製品のタイヤ部品は他の製品、
例えば私は同社のメルセデス260を持っているがこれと同じで、
15sixとしてはやや直径が大きいような感じである。

なお、BREKINAのは11としても15としても戦時以前のものとして使える
ようにも見えるが、私の知る限りでは11の長胴型の場合、エンジンカバー
側面がスリットグリル状になっているのは戦後からの仕様の筈なので、
戦時以前の11の長胴型とする場合、ここを修正する必要があると思われる。

(続く)
 






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