この間、実家に帰ってある模型を探して押入れを探っていたら、トラクシオン
アバンのあるミニカーが見つかったので、今回はそれを紹介してみよう。
それはブラーゴの1/24のシトロエン・トラクシオンアバン15cv(six)という、
結構な大物だった。
私はこれは以前フリーマーケットで売ってしまったような気がしていたので
この連載の最初で所有ミニカーを書いた時も書かなかったのである。
私がこのキットを購入したのはもう20年以上前だったと思うが、何で購入
したかというと、形状が結構正確そうだったし、前ドアも開閉可能、エンジン
カバーも開閉可能でエンジンも一応再現というものだった上、特売があって
2000円以下位の価格で購入できたから、というものだった。
もちろんこのアイテムに興味があり、小スケールのこれのプラモを作る際の
参考になるだろうと思ったからだ。
このミニカー(ダイカストモデル)、現在でも一応入手可能なようだが、日本
では車体色が黒と赤のツートンカラーのようだ。
なのでこの全体黒のバージョンはちょっとレアかもしれないが、何せ安売りの
だったせいか、最初から傷が結構あった。なので価値は低いと思われる。
最初の写真は全体形。私は普段、小さめのものばかり扱っているせいか、
この、全長が約20センチのミニカーは、大変な大物に感じる。
2枚目の写真は右舷のエンジンカバーを開けた所。
エンジン部品が銀メッキされているのが分かる。まあシビアにみた場合、
パイピング等、細部がほとんど省略されているが、雰囲気は出ている。
3枚目の写真は箱に入れて上から見た所。
下に発砲スチロールの台があり、これと本体を下から1本のネジで固定する
ようになっていた。ただ、タイヤに使われているポリスチレンぽい部品と
発砲スチロールの相性が悪いらしく、何年もこのままにしていると発泡
スチロールの方が少し溶けてタイヤが埋もれる形になる。本体部品は溶けて
いないのは幸いだが。
現在、発売されているバージョンはプラスチック製の台も付属しているようで
この辺は改善されているようだ。
それ以外の部分を考証してみると、全体形は15のややペッタリした感じは出て
いる。また、「1938年型」としているだけあって、後部トランクが突出して
いない点はちゃんとしてるし、エンジンカバー側面の彫刻がルーバー状に
なっているのは15の特徴のようだ。
ただ、前部と後部のバンパーが直線状なのは少々疑問だし、今回の写真では
分からないが、タイヤの厚みが相当に厚い。
以前、タミヤの11CVのキットのタイヤ厚が厚すぎでは、等、このブログを読ま
れた方と話題になったが、それより更にバランス的に厚い感じなのだ。
ざっくり図って1センチ近くになったが、これを24倍すると約240ミリで、もの
凄い事になる。
色々写真を当たったが、戦後のレストア車でもここまで厚いものは見当たら
なかった。
ちょっと考えてみたのだが、このミニカー、重量がけっこうある。それをやや
柔らかめのポリスチレンのような材質のタイヤで支える為に厚くしたのかな?
…という感じだ。
しかしこのタイヤ、側面にはちゃんと「CONTINENTAL」という刻印がある。
…本当にこのメーカーのタイヤを使ったのかどうか…。
まあ、ミニカーだし、あまりうるさい事を言わずにこのまま楽しんだ方が
良さそうだ。
考証的には、同じ1/24だと多分、エレールのプラモの方が出来が良いので
しょう。
(続く)