ラットパトロールジープ (5)
ラットパトロールジープの第5回。
さて、ラットパトロールに登場したジープを今まで作成してきて、大戦中の
一般的なウイリスMB,フォードGPWの形状的な大きな差異はだいたい作り
終わったのだが、まだ追加していない割と大きな特徴がある。
それは前席の少し前方両サイドに付いている小銃ホルダーである。
これは大戦中のジープでも付けている場合があり、タミヤ1/35のウイリスMB
で右舷の分のみ、ブロンコのフォードGPWでは両サイド分、オプション部品と
して付属しているが、このS-MODELのウイリスMBを始めとしてミニスケール
(1/72〜1/87)のキットでは付属しているものがない。
どちらにしても大戦中の実車に付属しているものとこのラッパト仕様の
ものとでは微妙に形状が違う様ではあるのだが、とにかく自作する必要が
ある。
ただ、その小銃ホルダーに入る小銃、短機関銃は幾つかのメーカーからパー
ツ化されている。
まずそれらの小銃、短機関銃のパーツの紹介をしよう。
最初の写真はS-MODELのウイリスMBに付属しているM1ガーランド小銃。
最近のキットだけあって良く出来ているが、実物写真と比べると、先端部の
形状など、縦に同じ太さの棒がただ並んでいる感じになって、やや残念で
ある。
2枚目の写真はハセガワ1/72のミニボックスシリーズのNo.34、『アメリカ歩兵
・コンバットチーム」に付属しているM1ガーランド。寸法的にはややオーバー
スケールで、特に(写真では分からないが)厚みがありすぎが気になる。
が、モールドはメリハリが効いており、特にトリガー周りは針先のように
小さいにもかかわらず、左右が貫通するようなモールドになっていて、この
キットの古さを考えると非常に細密なモールディングと言え、ハセガワの金型
技術の高さが感じられる。
次に、M1A1トンプソン短機関銃について、S-MODELのものとハセガワのものを
比較してみよう。
3枚目の写真はS-MODELのトンプソン短機関銃。全体的に良く出来ており、
問題なく使えると言ってよい。M1ガーランドの方より出来が良い。
4枚目の写真はハセガワのトンプソン機銃。S-MODELのものより大きめで、
各部が妙に誇張されている感じがする。しかしやはりトリガー周りが左右に
貫通していて、この辺は素晴らしいな、と思わせるものがある。
他にミニスケで二次戦時の米軍の小銃類で、歩兵の手と一緒にモールドされて
入る訳ではなく、単体で部品化されているものは、1/76でフジミのWA-27番、
アメリカ陸軍歩兵セットに付属している小銃類と、現在入手難だが元々日東
から発売されていてその後フジミから再販されたジープセット(小型トラック
セット)に付属していたものが思い浮かぶが、それ以外は意外と思い浮かばない。
こうして見るとミニスケの歴史が長い割りに二次戦時の米軍小銃類のプラモは
やや不遇な感じもするが、これは元々ミニスケがウォーゲームのコマという
部分から発達したせいで、兵隊人形と一体化で普通、という感覚があったから
だと思われる。例えばミニスケでは老舗のエアフィックスも。米軍の小銃類は
人形が持っているもの以外は出していない。
しかし、トラックの荷台などに置いてあったり、ジオラマにする場合は兵隊の
小休止中に纏めて置いておくなど、必要性はあるものなので、このS-MODELの
製品のようにオマケとしてでもキット化して呉れると有り難いものである。
なお、現在はまだ予定だけで未発売だが、プライザーから1/72で二次戦時の
米兵歩兵セットの発売が予定されており、期待が出来ると思われる。
さて、少々脱線したがラッパト仕様ジープの小銃ホルダーの話に戻る。
5枚目の写真はプラ板を曲げて作った小銃ホルダー。スケール的には0.2とか
0.1ミリ厚の極薄プラ板を使うべきだったかもしれないが、実物はどうやら
革製のようなので、イメージ的に革の幅はやや厚めといった感じがしたので
0.3ミリ厚のものを使った。
これであとは底をパテ埋めし、取り付け用のベルトをモールドし、もう一個
同じものを作って取り付け、小銃か短機関銃を入れれば良い事になる。
(続く)
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- 2016.11.27 Sunday
- 模型(陸):ラットパトロールジープ
- 22:23
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- by コウ中村