「浪漫工房」の活動 (16)
さて、12月3日開催の「第8回 いっちょんちょん即売会」まで、あと数日と
なりました。
この会用の新製品は特に予定しておらず、先日11月19日のProject144で
新発売となったけれど完売してしまった1/144・LCP(L)の増産分を、やはり
浪漫工房の今秋の新製品として販売させて頂く予定です。
まあ、増産と言ってもマイナーアイテムですし時間もないので3個程度の
増産に止めておくつもりですが。
その他、1/350のMTB2種も在庫があれば販売させて頂く予定です。
所でその1/144・LCP(L)ですが、艇体本体部品の注型が非常に難しく、
現在のシリコン型だと2回に1回は失敗してしまう事は以前の連載で
書かせて頂きました。
で、急遽艇体のみ失敗率が少ない(と思われる)片面取り(と、トップゲート
方式とを折衷させたようなやり方)で注型出来るシリコン型を新たに作成
しました。
上の写真がその作成中のもので、枠に艇体下面の型を取る為にシリコンを
流し入れた所です。艇体の底面を大きな湯口にしようとしているのが分かり
ます。
通常ですと片面取りの型はシリコンゴムを一度に流し入れるのですが、
今回は艇体前部の形状の関係でオーバーハングが多くなっていて、一回で
流すようにすると気泡跡が艇体の境目に近い部分に浮きでてしまう危険が
あったので、一応粘土で最初は艇体上面部を埋めて、シリコンゴムを2回に
分けて流すようにしました。その甲斐あって気泡跡が艇体の近くにはほぼ
皆無なシリコン型が、機械的な脱泡作業をしなくとも出来ました。
2枚めの写真がその出来上がったシリコン型です。
3枚めの上の写真はその型にレジンキャストを流し、脱型したものです。
上の写真は脱型した艇体の湯口の部分を削り取ったものです。湯口の、特に
湯口とそうでない部分の境目あたりに気泡跡が若干見られます(樹脂の削り
カスが詰まって気泡跡が白っぽく見えている部分が多い)が、底面なので
良しとして、これを販売分に回すつもりです。
昔のミニスケールAFVのレジンキット・コンバットレディシリーズと同じ
理屈のやり方です。ただし、同シリーズは真空脱泡のためにそういう
やり方にしたようですが。また、同シリーズのそれは、湯口の余分な樹脂
までキットに付属(ロットによりますが)し、ユーザー側でそれを削らねば
ならず、購入して作成した経験者としてはえらい苦労した覚えがあります。
なお、今年9月のモデフェス@アキバの際の見本品は艇体上部のキャンパス
部分を透明プラ板のヒートプレスで作成し、窓部の表現をし易くしようと
していましたが、手作りのヒートプレスで量産分をほぼ同じ品質に保つのは
難しいと判断し、艇体と同じレジン樹脂製としました。窓部の表現はユー
ザー様の方で刳り貫いて透明板を付けるか黒く塗って表現をお願いする
ようにしました。済みませんがユーザー様はご了承頂きたく思います。
(続く)
JUGEMテーマ:模型製作
- 2017.11.29 Wednesday
- 模型:ガレージキット開発
- 23:27
- comments(0)
- trackbacks(0)
- by コウ中村